六師の思想(1)プーラナ・カッサパ
六師はいずれもバラモン教に反抗し、特徴ある学説を唱えた自由思想家として有名です。彼らの主張を順に見てみましょう。
まずプーラナ・カッサパは、道徳否定論者です。どんな悪をなそうとも、その報いはなく、どんな善に励んでも、同じく報われることはないのだと主張しました。
人を苦しめたり悲しませたりしても、たとえ強盗や殺人を犯しても、それは悪ではなく、悪の報いもない。逆に、施しをしたり、自分を律して嘘をつかないように努めようと、聖なる儀式を行おうと、善をしたことにはならず、なんの果報もないというのです。
プーラナは、何が善で何が悪かは、人間がかりに決めたものであり、真実からいえば善も悪も実在しないのだと主張しました。
善悪など人間どうしの取り決めにすぎないのだから、悪をしても人間に見つかりさえしなければ、何の報いもないと思っている人は、プーラナと同じ考えをしているのです。
たとえ人間に罰せられなくても、悪をすれば報いがあると信じている人は、プーラナと違って、善悪が実在すると考えている人です。
善悪は、人間が勝手に決めたものにすぎないのか、それとも人間がどう考えるかによらず、悪をすれば報いが来るのか。
どちらの考えを採るか、一人一人が決めなければなりません。他の思想家の説も聞いてみましょう。
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