六師の思想(5)サンジャヤ・ベーラッティプッタ
インドでは古くから、真理をありのままに認識したり、述べたりすることは不可能だという「不可知論者」が現れましたが、その代表がサンジャヤです。
サンジャヤは、「来世は存在するのか」と聞かれても、「あるとも思わないし、あるらしいとも思わない。無いとも思わないし、無いのではないとも思わない」と意味不明な答弁ですり抜け、決して「こうだ」と答えませんでした。そのため「ウナギのようにぬらぬらして捕らえがたい議論」と呼ばれました。
インド思想史上、最初の懐疑論者として登場したサンジャヤは、「善や悪の行為の報いはあるか」「さとりの完成者は死後に存在するか」などの哲学的な問いには何ら断定せず、判断を停止したのです。
サンジャヤは、後に釈迦の弟子となったサーリプッタ(舎利弗)とモッガラーナ(目蓮)の師であったことでも知られます。この二人はサンジャヤの高弟として期待されていましたが、仏説に触れて感動し、二百五十人の弟子を引き連れて釈迦に帰依しました。それを知ったサンジャヤは、悲憤のあまり熱血を吐いて死んだと伝えられています。
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