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【第1章②】金や権力で自由は買えない

 経済力や才能、地位があれば、選択肢が増えるのは当然でしょう。それらを「権力」という言葉でまとめるならば、権力を握った人ほど、他の人にはできないことが可能になります。
 多くの人は、「選択肢が多い」ことを「自由」だと思っているので、なんとか選択肢を増やそうと、広い意味での「権力」を求めます。しかし、「権力」は皆が欲しいのですから、自分がより多くの力を欲しがれば、当然、競争に勝たなければなりません。
 すべての人が「選択肢を増やしたい」と思っていますが、だからこそ、自分の選択肢を増やすには、ライバルとの競争に勝たなければならないのです。

 しかし、「選択肢が限られていること」が「不自由」ならば、完全な自由とは「選択肢が限られていないこと」「何でも好きなことができること」になってしまいます。そんなことができるのは、無限の力をもった人だけで、そんな全能の存在は、もはや人間ではないでしょう。
「選択肢が限られている」のは、人間である限り、仕方のないことです。「選択肢を無限に広げること」など、私たちに望むべくもありません。
 もし誰か一人が無限の選択肢を手に入れて「神」になったならば、この世は「地獄」になるでしょう。
 そんな魔神になることと、「完全な自由」「真の自由」とは全く異なります。

「何でも好きなことがしたい」「欲しいものは全て手に入れたい」というのが私たちの理想ですが、人間を超えて全能の存在にならない限り、それはできません。
 それでも、今より少しでもよいから「選択肢を増やしたい」という不満はなくならないでしょう。選択肢を増やしたければ、権力を手に入れればよいのですが、周り中の人が、自分と同じように力を欲しているのですから、激しい競争を覚悟しなければなりません。
 苦労は承知で権力を求めるなら、それはその人の人生です。不正を犯さない限り、権力を求めること自体は、正解でも間違いでもないでしょう。
 しかし「権力」と「自由」とは、全く異なります。「自由」とは、「より強大な力」ではないのです。「権力」があればあるほど、好きなことができるのですから、たしかに「権力」は魅力的です。まただからこそ、多くの人が権力にあこがれるのでしょう。しかし、どれだけの力を得ても、財力や能力には限界があるのですから、選択肢は限られます。

 だから、どんな身になろうと、「選択肢が限られていること」は避けられないのです。「自由」とは、「選択肢を無限にする」ことではありません。
「選択肢が限られている中で、自ら決断すること」こそが、真の自由なのです。
 それなのに、「選択肢が限られていること」にばかり不足を言って、「自由」ではなく「権力」を求めているから、完全な自由になれないのです。
 ほとんどの人が求めているのは、「自由」ではなく「権力」なのではないでしょうか。

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