« 2013年4月 | トップページ | 2013年6月 »

病は気から①

 バイオフィードバック療法のパイオニアであるバーバラ・ブラウン博士は、「ストレス病はおそらく現代の疾病の七五パーセントにのぼるであろう」と推測しています(バーバラ・B.ブラウン著、橋口英俊訳『スーパーマインド―心は脳を超える』117頁)。いかに多くの病気が、「ストレス」という同じ原因から生じているか、わかります。
「ストレス」とは、平たくいえば「心配」です。日常のささいな「心配」が、どのように病気を起こすか、ブラウン博士は次のように述べています。
 成功の階段を上ることに不安を抱く大学講師の例を取ろう。彼はうまく勤めを果たすこと、すなわち、教育研究活動を行うことに精神的圧迫を受けている。彼の問題は知的懸念から生じている。自分は教師として有能な働きをしていない、とか自分が進歩するためには障碍があると考えるときに、彼の社会的安寧が脅かされる。この混乱した知的懸念の末に、彼は潰瘍、大腸炎、本能性高血圧、頭痛、不安神経症になる可能性がある。
 潰瘍持ちのある支配人もまた彼自身の知的活動の犠牲者である。彼にとってもっとも大切な社会活動は、仕事である。彼は常に、有能であることや称讃を得ることという要請を感じており、仕事中のあらゆる事態を分析し、いかにして良い仕事をするか、いかにして自分が有能であることを行動で示すか、いかにして他の人々の期待に応えるかを解明していなければならない。(同上、131-132頁)
 こんな心配は、どんな職業、立場の人も持っているでしょう。日常のありふれた心配が、実に多くの病気の原因となっています。

病は気から②

 心配が病気を起こす例として、ある医師が、こんなケースを紹介しています。
 ジョン・Cは私が看ていた六五歳の患者で、入院して心臓疾患治療センターに入っていた。(中略)検査室と心電図で調べると、広範囲にわたる心筋梗塞だと判明した。彼が重症だという事実は、面会時間に会いに来た健康的な妻にも明らかにされた。三日目になって、私は、心臓疾患治療センターの待合室に緊急に呼び出された。誰かが突然、呼吸困難に陥ったというのだ。駆けつけてみると、驚いたことに、長イスで横になっていたのはジョン・C夫人だった。顔面蒼白で呼吸困難に陥り、その時は苦痛から胸をかきむしっていた。彼女はただちに夫と同じ心臓疾患治療センターに運ばれた。夫人の症状は安定したが、検査の結果、彼女も急性の心筋梗塞になったことがわかった。
 夫婦が次々と同じ病気にかかるのは、決して珍しいケースではない。おそらく、ほとんどの医者はこの現象に出くわしているはずだ。ジョン・C氏の心臓発作は、彼個人の身体を超えて他者に及んでしまった。このような事件は、正統的な分子医学に挑戦するかのように発生する。分子医学ならば、ひとつの心臓発作はひとつの心臓だけに限定して、発作の因果関係を追求するところだ。(ラリー・ドッシー著、栗野康和訳『時間・空間・医療―プロセスとしての身体』141-142頁)
 物質だけでは、病気は説明出来ません。心の明るさが、身体の健康を保つのに、いかに大切か、知らされます。

« 2013年4月 | トップページ | 2013年6月 »