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『パイドン』魂の気遣いこそ大切

パイドン―魂の不死について (岩波文庫)
プラトン
岩波書店
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「私」と「身体」が違うのであれば、「身体」が死んだからといって、「私」も死ぬとは限りません。もし「私」は「身体」が死んだあとも続くのであれば、その「私」の運命こそ、最も心配しなければならないことです。
『パイドン』でソクラテスは、この肉体のことだけでなく、未来まで続く魂のことを心配し、大切にしなければならないと訴えています。
もしも魂が不死であるならば、われわれが生と呼んでいるこの時間のためばかりではなく、未来永劫のために、魂の世話をしなければならないのである。そして、もしもわれわれが魂をないがしろにするならば、その危険が恐るべきものであることに、いまや思いいたるであろう。なぜなら、もしも死がすべてのものからの解放であったならば、悪人たちにとっては、死ねば肉体から解放されると同時に、魂もろともに自分自身の悪からも解放されるのだから、それは幸運な儲けものであっただろう。しかし、いまや、魂が不死であることが明らかな以上、魂にとっては、できるだけ善くまた賢くなる以外には、悪からの他のいかなる逃亡の道も、また、自分自身の救済もありえないだろう。(上掲訳書153頁)

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