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『パイドン』「私」と「肉体」は違う

パイドン―魂の不死について (岩波文庫)
プラトン
岩波書店
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 死刑判決を受けたソクラテスが、死の直前に、そこに居合わせた人と交わした対話を描いたのが、プラトンの『パイドン』です。
『パイドン』でソクラテスは、「肉体」より「私」(=魂)を大切にすべきことを説きます。
 その対話の最後に、登場人物の一人クリトンが「どんな風に君を埋葬しようか」といったとき、ソクラテスは、こう語りました。
「諸君、僕はクリトンを説得できていないらしい。僕とは、今ここで対話をしながら、議論のひとつひとつを秩序づけて配置している、このソクラテスでる、ということをね。むしろ、かれは、少し後で死体として眺められる者が僕なのだ、と思っている。(中略)言葉を正しく使わないということはそれ自体として誤謬であるばかりではなくて、魂になにか害悪を及ぼすのだ。さあ、元気を出すのだ。そして、僕の体を埋葬するのだ、と言いたまえ。そして、君の好きなように、君がもっとも世間の習わしに合うと考えるように、埋葬してくれたまえ」(上掲訳書170-171頁)
「私」と「体」は、正確に区別しなければならないというソクラテスの主張が、よく表れています。

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