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『パンセ』きりのない欲望

パンセ (イデー選書)
パンセ (イデー選書)
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パスカル
白水社
売り上げランキン
グ: 408,453

『物の本質について』ゴールなき円周を回る人間

物の本質について (岩波文庫 青 605-1)
ルクレーティウス
岩波書店
売り上げランキング: 26,427
 欲しい物が手に入らないあいだは、それを手に入れたら最高の幸せになれるように思いますが、いざ手に入れてしまうと、今度は別の物が欲しくなります。結局、人間は同じ所を回り続けているだけで、そんなことをしているうちに、やがて死んでしまいます。それが人生ならば、今日、死んだ人も、これから何年も生き続ける人も、変わらないとルクレティウスは言います。
 我々が動き廻っているのも、生存しているのも、常に同じ埒内に在るのであって、生きているからと云ってその為に新たな喜びが作り得られるわけのものではない。
ただ、渇望する憧れは、とても達せられないうちは、これが他の何物よりも勝れたものででもあるかのように見えるに過ぎない。
その渇望も、一旦達してしまえば、又その後から別なものを我々は渇望するようになり、生命に執着する変わらない渇望が、常に我々を捕えて口を開かしめている。(中略)又、生命を延ばしてみたところで、それに依って死の時を少しも減らすわけのものではなく、即ち、我々が死の状態に在る間の時を短くすることができる筈のものではない。であるから、たとえ君の好きなだけの多くの世代を生き抜いて完うすることが、よしんば出来たとしても、依然として永遠の死はその先に待っているであろう。そして、今日一日で生命を終わった人でも、幾月も幾年も多くの歳月を経て死んだ人よりも、短い時を過ごしたとは云えないであろう。(上掲訳書157-158頁)

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