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パンセ●自分ほど重大なものはない

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 人間にとって最も大事なのは、自分です。死んだ後は無になるのか、それとも永遠に生命が続くのか? もし続くならば、永久に幸せになるか、苦患に沈むのか? これこそ、人生の最大事です。こんな大事なことに、無関心な人がいるとしたら、とても正常とはいえないと、パスカルはいいます。

 人間にとって自分の状態ほど重大なことはなく、かれにとって永遠ほど恐るべきものはない。したがって、自分の存在の破滅や永久の悲惨の危険にたいして無関心でいる人があるということは、けっして正常なことではない。(上掲訳書 86頁)

パンセ●人間本性の奇怪な転倒

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 死んだらどうなるかは、永遠の生命に関わることですから、これに無関心でいるのは、とても正常なことではないのに、無関心な人ばかりです。しかも、そんな人が、失業しないかとか、恥をかかせられるのではないかといった、ささいな問題には眠れぬほど悩んでいるのです。これは「奇怪なこと」だとパスカルは嘆いています。

 重大なことには無関心で、ささいなことには真剣になる、矛盾した存在が人間なのでしょう。

かれらは他のすべてのことがらについてはまったくちがった態度をとる。きわめて軽微なことにまで気をつかい、それらを予測し感知する。そして、ある職をうしなうか、自分の名誉を傷つけられたと想像するかして、憤怒や絶望のうちに日夜をすごすその人が、やがて死によってすべてを失うことを知りつつ、なんの不安も動揺も感じない人と同一人なのである。おなじ心に、しかも同時に、ささいなことがらにたいするかかる敏感と最大のことがらにたいするかかる異常な無感覚とが見えるというのは、奇怪なことである(上掲訳書 86頁)

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