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偶然は無知の代名詞

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する

 23人のグループで自己紹介をしたとき、誰かと誰かの誕生日が一致していたら「偶然の一致だ!」と驚くのではないでしょうか。しかし計算すると、そのような一致が起きる確率は50パーセント以上あります。なぜ二人の誕生日が一致したのか、原因がわからないために、「偶然だ」といっているだけで、本当は、起きるべくして起きたことなのです。
「偶然の一致」に驚くのは、その背景にある原因がわからないからでしょう。
誕生日問題とは、あるグループにおいて二人の誕生日が一致する確率が五〇パーセント以上であるには、そのグループに何人いなければならないか(ただし、すべての誕生日は蓋然性が等しいと仮定する)というもの。ほとんどの人が一年の日数の半分、つまり一八三がその答えであると考える。しかしそれは別の問題──あるパーティーで、出席者の一人の誕生日が「あなたの」誕生日と一致する確率が五〇パーセント以上であるには何人が必要か──に対する正解だ。
 一方で、もし「どの」二人の誕生日が一致するかについての制約がなければ、誕生日が一致するかもしれない二人の可能な組み合わせ数は増え、そのことが答えを劇的に変えてしまう。事実、正解は驚くほど少なく、わずか二三人である。(上掲書99ページ)

『スター・ウォーズ』のヒットを誰が予測したか

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する

今年の映画の目玉は、何と言っても12月に公開される『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でしょう。
『スター・ウォーズ』シリーズの第一作が1977年に製作されてから数えて、7作目になります。
『スター・ウォーズ』はジョージ・ルーカス監督のオリジナル作品ですが、これほどの成功を納めるとは、映画会社も見抜くことはできなかったそうです。運命を予想するのが、いかに難しいか知らされます。
若きジョージ・ルーカス監督が一〇〇万ドルにも満たない撮影費でつくった映画、『アメリカン・グラフィティ』に関して、ユニバーサル・スタジオの幹部らが抱いた深刻な疑念を思い起こす人もいるだろう。彼らの疑念にもかかわらず、映画は一億一五〇〇万ドルを稼ぎ出した。
 が、それでもなお、ルーカスのつぎなるアイデアに対して、彼らはよりいっそう深い疑いを抱いた。ルーカスはその物語を『「ホイルス銀河史」からの抜粋/ルーク・スターキラーの冒険』とい呼び、ユニバーサルはそれを「製作不可能作品」と読んだ。最終的には20世紀フォックスがその映画を製作したものの、そのプロジェクトに対する20世紀フォックスの信念もそこそこでしかなかった。ルーカスには脚本代+監督代で二〇万ドルしか支払わなかった。そのかわりルーカスは、続編製作権とキャラクター商品化権を手にした。結局、『スターウォーズ』は一三〇〇万ドルの製作費で四億六一〇〇万ドルを稼ぎ、ルーカスは帝王になった。(上掲書21ページ)

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