« 成功者の悩み | トップページ | 『アリスのままで』(1) »

滅びざる幸福こそ人生の目的

宗教的経験の諸相 上 (岩波文庫 青 640-2)
W.ジェイムズ
岩波書店
売り上げランキング: 161,950

 絶対、死にたくない人間が、絶対、死ななければならない。これほどの矛盾があるでしょうか。このような矛盾を抱えた私たちに、本当の安心がえられるはずはありません。すべての人が求めているのは、一切が滅びる中に、滅びざる永遠の幸福ではないでしょうか。

 もし人生が善であれば、人生の否定は悪とならざるをえない。それにもかかわらず、この二つは、等しく人生の根本的な事実なのである。したがって、すべて自然のままの幸福は矛盾を含んでいる。そのまわりには墓場の匂いが立ちこめているのである。(中略)私たちが、死ぬことができる、病気になることができる、という事実が、私たちを悩ますのである。私たちが、さしあたっていま、生きており、そして健康である、という事実は、その悩みにとっては重要な問題でない。私たちは、死と関連していない生を、病気にかかることのない健康を、滅びることのないような種類の善を、つまり、自然的な善を超越した事実のうちにある善を、求めるのである。(上掲書212頁)

« 成功者の悩み | トップページ | 『アリスのままで』(1) »

●読書メモ」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/171233/63271432

この記事へのトラックバック一覧です: 滅びざる幸福こそ人生の目的:

« 成功者の悩み | トップページ | 『アリスのままで』(1) »